IFS Cloud では、税を計算するときに、会計ルールで設定された規定税コード レートが使用されます。さまざまな税コードが存在し、税率が頻繁に変更される米国では、標準的なソリューションは適切ではありません。ユーザーは、税情報が変更されるたびに税率を手動で変更したくありません。
Vertex, Inc. は州および地方税のコンプライアンスにおけるリーダーとして認められており、この分野で複数のソフトウェア製品を提供しています。Vertex は、税率などの有効な税金情報を記録し、米国およびカナダ市場向けの税計算を実行できる Vertex Sales Tax O Series などのさまざまなソフトウェア アプリケーションを提供しています。このソリューションは、サブスクリプション サービスとして構築されており、税情報が即座に更新されます。これにより、売上税を正しく計算するプロセスが大幅に簡素化されます。
Vertex Sales Tax O Series はクラウド ベースのアプリケーションであり、インターフェースは IFS Connect (XML ファイル) を使用して Vertex と通信します。
IFS は、 Vertex Sales Tax O Series との統合を開発しました。これにより、税計算を行う際に、税情報を手動で更新することなく、 Vertex を使用して正しい税情報を取得できるようになります。統合は IFS の次の 4 つの領域でサポートされています。 (IFS Cloud の他のすべての領域では、税計算にコア機能が引き続き使用されます。)
Vertex の統合の全体的なコンセプトは、 IFS Cloud で税の呼び出しが開始されると、Vertex Sales Tax ソフトウェアが呼び出され、販売見積、受注オーダ、受注オーダ請求書、または RMA の情報に基づいて正しい税が取得されるというものです。正しい税を識別するために、次の 3 つの主要パラメータが使用されます。
これらの主要パラメータに加えて、商品番号、価格、数量、顧客グループなどの情報も Vertex Sales Tax ソフトウェアに送信され、正しい税率が取得されるように設定できます。Vertex に送信された情報に基づいて、 Vertex は正しい税と税額を調べ、その情報を IFS Cloud に戻します。その後、その情報は税明細ダイアログにアップロードされます。Vertex を使用する場合、税明細ダイアログは読み取り専用のため、税コードを手動で追加することはできません。
備考:Vertex Integration は、米国とカナダの税計算にのみ使用されます。
Vertex のようなサードパーティの税ソフトウェアを使用してトランザクションの正しい税率を決定する際、税率は州、郡、地区、市のカテゴリに分類できます。このため、 Vertex 統合を使用する場合は、 IFS Cloud でいくつかの初期設定が必要になります。会計ルール/税金/税コード内で、取得した税率を 4 つのカテゴリをに分類できるように、 4 つの一般税コードを作成する必要があります。税コードは一般的であるため、税 (%) を [ゼロ] に設定し、税タイプを [税] に設定する必要があります。税コードの「有効終了日期限」は未来の日付に設定する必要があります。期限切れの税コードがあると、システムは Vertex から正しい税を取得できなくなります。[税コード] ウィンドウで 4 つの税コードを作成後、税コードを会社/税コントロール/外税システム タブの [一般税コード] に関連付ける必要があります。
適切な税を取得するために、どのサードパーティの税ソフトウェアを使用するかを指定するには、会社/税コントロール/外税システム タブ内の売上税計算方式を選択する必要があります。可能値は、不使用または Vertex Sales Tax O Series です。不使用を選択すると、 CORE IFS ロジックを使用して適切な税コード、税率、および税額が取得されます。Vertex オプションを選択した場合、定義済みの 4 つのフロー (販売見積、受注オーダ、受注オーダ請求書、RMA) の税率が Vertex から取得されます。
外部税システム タブで受注オーダ リリース時に税情報を更新を選択した場合、受注オーダのリリース時に受注オーダ明細に正しい税率と税額が使用されていることを確認するために、税要求が外部税システムに送信されます。デフォルトでこのオプションが選択されているため、受注オーダのリリース時に税情報が更新されます。顧客によっては、受注オーダの処理に長期間かかることがあります。この場合は、オーダのリリース時にすべての税の最終確認を行うことを推奨します。顧客が受注オーダを入力し、近い将来にそれをリリースする場合、オーダのリリース時に税の再確認を行う必要はありません。
Vertex は管轄コードを使用して、適用する税を決定します。管轄コードは、米国およびカナダにおける一般的な概念です。管轄コードは住所に基づいており、住所が異なれば管轄コードも異なります。住所情報は Vertex で正しい税を取得するために使用されるため、会社と顧客レコードの両方ですべての住所が正しく入力されていることが重要です。
会社または顧客の住所を保存する際に、住所が正しく入力されていれば、 IFS Cloud は Vertex Sales Tax ソフトウェアと通信して、提供された住所の正しい管轄コードを特定し、この情報を会社または顧客の住所ページの管轄コード フィールドに更新します。管轄コードが返されると、アドレスが有効であることがわかります。[管轄コード] フィールドは読み取り専用であるため、管轄コードを手動で入力することはできません。
税計算は、販売見積、受注オーダ、受注オーダ請求書、 および RMA フローのさまざまなイベント中に開始されます。システムが開始されると、システムは会社レコードの売上税計算方式の値を使用して、税コードと税率をどこから取得するかを決定します。
IFS Cloud が Vertex と通信するための前提条件は、顧客住所の税負担が TAX に設定されていることと、商品が課税対象になっていることです。顧客住所の税負担が EXEMPT に設定されている場合、または商品が課税対象でない場合、 IFS Cloud はVertex と通信しません。税負担が免除に設定されている場合、または売上部分が課税対象でない場合は、税明細ダイアログは空になります。
販売見積の場合、新しい税計算が開始され、以下の状況で Vertex に新たな税要求が送信されます。
見積明細の税明細ダイアログは、 Vertex から受信したデータで更新されます。
受注オーダの場合、新しい税計算が開始され、以下の状況で Vertex に新たな税要求が送信されます。
受注オーダ明細の税明細ダイアログは、 Vertex から受信したデータで更新されます。
受注オーダ請求書の場合、新しい税計算が開始され、以下の状況で Vertex 新たな税要求が送信されます。
受注オーダ請求書の税明細ダイアログは、 Vertex から受信したデータで更新されます。最終的な税計算は、受注オーダ請求書の印刷時に開始されます。この最終的な税計算の一環として、請求書明細行も Vertex Tax Registry に書き込まれます。Vertex Tax Registry は、税金元帳として使用できます。
返品承認は、受注オーダー明細から手動で作成することも、自動的に作成することもできます。
手動で作成する場合、新しい RMA 明細または RMA 請求明細が RMA に追加されたときに消費税計算が開始されます (受注オーダーまたは請求書への参照が存在せず、価格がゼロより大きい場合)。[返品明細税明細] ダイアログまたは [返品経費税明細] ダイアログは、 Vertex から受信したデータで更新されます。
自動的に作成されると、システムは受注オーダ明細または受注オーダ請求明細から税明細をコピーし、この情報を [返品明細税明細] ダイアログまたは [返品経費税明細] ダイアログに追加します。
返品承認の場合、新しい税計算が開始され、以下の状況で Vertex に新たな税要求が送信されます。
外部税システム パラメータ ページで、 O Series の Vertex へのログイン情報を入力します。ユーザー氏名とパスワードを使用するか、 Vertex から提供された信頼 ID を使用してログインできます。
外部税システム パラメータには、バージョンのフィールドもあります。使用している O Series のバージョンを入力する必要があります。IFS で現在サポートされているバージョンがリストに表示されます。
外部税システム パラメータは、会社に依存しないウィンドウです。つまり、 O Series を使用しているインストール内のすべての会社に対して有効な情報であることを意味します。
Vertex Sales Tax O Series ソフトウェアと通信するには、 IFS Connect/ルーティング アドレスで 3 つのルーティング アドレスを追加する必要があります。
ISO コードの使用/国ページ内では、管轄コードを取得するオプションがあります。Vertex 統合を機能させるには、このオプションを有効にする必要があります。国コードに対してこのオプションを有効にすると、 Vertex 統合の使用時に顧客と会社の住所の管轄コードが取得されます。